戦争やレイプでPTSDになる割合は8~50%であるのに対し、自然災害でPTSDになる割合は僅か4%程度。
天災でPTSDを発症する人は殆どいないのだ。PTSDは多くの場合、人災によって引き起こされる。

例えば愛する人が病気によって死んだ場合と、医療ミスによって死んだ場合では、どちらの方がショックが大きいだろうか?
自然な死に方であればその死を受け入れ、忘れる事ができるだろう。しかし人為的な物であった場合は深く悲しみ、トラウマとして残るかも知れない。

なぜ人間絡みの事ではPTSDになりやすいのか?これには憎しみの感情が関っている。
自然災害に対して憎しみを抱く人はいない。しかし人為的に引き起こされた事故であれば相手を憎まずにいられないのだ。
憎しみの感情は極自然な物であり悪ではない。しかし憎しみが強すぎると「人を呪わば穴二つ」で自分にとって毒となる。

生物は生存競争の中で「やられたらやり返す」と言う闘争本能を獲得した。
この闘争本能によってフラッシュバックが起こると「相手に仕返しせねば」と言う復讐心が生まれる。
フラッシュバックする度に体は臨戦態勢に入るのだ。この時、脳内でアドレナリンが放出され、血圧上昇などのPTSDの諸症状が引き起こされる。
アドレナリンには記憶を強化する作用もあるため、発作のたびに心のより奥深くにまでトラウマが刻み込まれるのだ。まるで忘却を拒否するかの様に・・・!

PTSDの完治には闘争本能・復讐心の落とし所を見つける事が不可欠ではないだろうか?
慈悲の瞑想などによって嫌いな相手を許す訓練をすると良いだろう。
復讐なんて死ぬ間際に考えれば良い事だ。今は人生を楽しむ事に専念すべきではないか・・・

「難しい事は保留にして前に進め。人を愛し、自分を愛せ」
  村上かつら短編集より引用

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