動物の「心」について

神経学者の科学者パトリック・ホフと共に、科学的にこの問題に取り組んで見よう。ホフは何と「どの動物が感情を持ち、どの動物が感情を持たないか」を判別できる手段を発見したのだ。
パトリックは人間の前帯状皮質の研究中に奇妙な形をした神経細胞を見つけた:非常に細い形の、人間に固有の神経細胞だ。チームは発見を祝ったが、この細胞は1970年代に「フォン・エコノモ細胞(VENs)」として発見されている事が後ほど明らかになった。
この「錐体細胞」と名付けられたこの細胞は、最近では人間の「心」を解き明かすキーとして現在熱い注目を集めている。
神経細胞は、一般的には周辺の神経としか交信しない。しかし錐体細胞は非常に長い構造なので、長い距離に渡って信号を伝える事が出来る(もし通常の細胞が近所との「会話」なら、錐体細胞の交信は脳内に響く「放送」なのだ)。
このため、錐体細胞は脳の新しい部分(言語野、論理的思考を司る部分)と、古い脳(本能、感情)の交信を司っていると考えられているのだ。

説明しよう:
誰かが哀しそうな目をしていた場合、あなたの目はこのイメージを脳に伝え、脳は「あの人は悲しい」と判断するーーだがこの「思考」を錐体細胞が「感情」部分に伝えるため、あなたも実際に悲しみを感じることになる。
つまり、錐体細胞は「共感」の感情を可能にするのだ。

脳の広範囲にまたがる錐体細胞が他者への共感を可能にしているそうだ。
ショーペンハウアーは「同情心」こそが道徳の根源だと言っていたが、正にその通りで脳神経レベルで共感能力の有無が人間と動物の「心」の違いを生み出している。
他者への同情にはオキシトシンなども関与しているが、この錐体細胞もまた重要な要素であろう。

脳の構造が共感能力を決めるのであれば、脳の発達障害や子育ての失敗によって共感能力の低いサイコパスになる可能性がある。やはり共感能力を鍛えるためには体罰が必要なのではないか
加齢によって脳が衰えると他者への共感能力も衰え、モラルが低下する。

脳の広範囲を刺激する錐体細胞は創造性を高める働きも持っているのではないか?無関係な領域を結びつけるのは創造力の基本だからだ。
つまり錐体細胞の発達によって人間は共感能力(道徳)と創造力の両方を手に入れた。

錐体細胞の多寡は進化によって増減するだろう。道徳心や創造力には民族差が存在する可能性がある。
薄情で創造力がないと言われる日本人は錐体細胞が少ないのだろう。進化した人種ほど共感能力が高いため、道徳心と創造性に優れている。
日本人は劣等民族なのではなく、むしろ下等生物に近いのです・・・

【関連】クリエイティブな人の心の内面や脳は一般人とどう違うのか?

バロン博士によると、創造性は知的、感情的、道徳的などの特性全般に関連性があるように見えたとのこと。

日本人は「蟻」を見習え

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