アレキサンダー大王の家庭教師だったアリストテレスは「ギリシャ文明こそが世界で最も優れた文明だ」と大王に説いていた。古代ギリシャには中華思想のようなものがあったのだろう。
ギリシャ人は異民族をバルバロイ(野蛮人)と呼び、自分達を神話の中の英雄ヘレンの子孫、ヘレネスだと称していた。
中国人も周辺の民族を夷狄(いてき)と蔑み、漢民族が神話上の皇帝、黄帝の末裔であると誇っている。
ギリシャ哲学においては「徳」こそが至上のイデアであるとされ、中国人も人間と動物の違いは「徳」の有無だと考え非常に重視した。
やはりギリシャと中国は似ている。
古代にギリシャ文明を極東にまで伝えた者がいたのではないか?
そしてそれは恐らく中央アジアで活躍していた遊牧騎馬民族のスキタイ人であったのだろう。
スキタイ人が貿易を通じて中国にギリシャ文明を伝えた。
日本神話も明らかにギリシャ神話の影響を受けているが、これは文字を持たないスキタイ人が口伝で東アジアにまでギリシャ神話を伝えたからだとされている。
岩明均の『ヒストリエ』によるとスキタイ人は「勇猛で 誇り高く 残忍」な民族だったそうだ。
このスキタイ人の残忍さが同じ遊牧騎馬民族のモンゴル人に受け継がれ、後のモンゴル帝国や日本の「騎馬民族征服説」にもダイナミックに関係してくるわけだ。
西洋と東洋を結んだスキタイ人の歴史は、案外日本とも関係の深いモノなのです。
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