先の大戦の反省点を学ぶのに、光文社ペーパーバックスの『太平洋に消えた勝機』が参考になる。
『太平洋に消えた勝機』の内容は衝撃的だ。
陸軍悪玉史観」が間違いで、実は日米開戦には海軍の意向が強く働いていたと書かれてあるのだが、これ程重要な「あの戦争」に関する真実が今まで国民に知らされずにいたという事にショックを受けた。

日本は無謀な戦争で国を滅ぼしているのに、その原因が究明されないまま今日まで来ているなんて驚きだ。
失敗を教訓として問題点を改めなければまた国を滅ぼす結果に繋がる。
国民があの戦争について知らされていないのは、「戦争の原因」となった支配体制が戦前から続いているままだからではないのか?
『太平洋に消えた勝機』によると軍部が暴走したのは陸海軍の省益確保の為だった。
戦争が終わると予算を減らされてしまうから陸軍は中国での戦線を広げ、海軍は海軍予算を増やす為に戦艦が活躍できるアメリカ相手の戦争を望んだ。
軍隊の「官僚組織」としての性質が戦争を引き起こしたと言える。軍人の「役人根性」が国を滅ぼしたのだ。
軍は機密費を使って右翼を雇い、政治家を暗殺したりもしていたから次第に誰も軍部を批判できなくなった。

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役人と軍需産業の癒着もあった。戦艦大和の建造なんて公共事業のようなモノだ。
軍需産業を儲けさせる為に戦艦を作って、一度も使わないまま敗戦したら示しが付かないから大和は特攻させられた。

天皇の責任も大きい。
「皇軍は天皇直属の組織である」という意識によって文民統制が効かなくなった。
天皇なら軍部の暴走を止められたかも知れないのに天皇は何もしなかった。全ては天皇の名の下に行われていたのだから当然天皇に責任はある。

他にも色々理由はあるのだろうけど、最大の「戦犯」は官僚組織にあるように思える。
民主主義ではなく役人が好き勝手やる社会だから大日本帝国は「自滅」したんだ。
それは今も同じ。官僚制度を解体しなければいつかまた国が滅びるよ。

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