反出生主義の再定義と戦略

new-black.jpg"反出生主義(Antinatalism)は新しい流行。繁殖するべからず"

そもそも反出生主義とは何か?

ディビッド・ベネターが有名なせいか、反出生主義とは「子供のためを考えて子供を作らない主義」であると思われがちだが、反出生主義は文字通り「子供を作る事に反対する」主義であって、その理由は「子供のため」だけに限らない。
環境保護を目的とした自主的な人類絶滅運動も反出生主義に含まれるのだから、反出生主義の動機も色々であって言葉の定義上は「子供が嫌い」という理由で反出生主義者を名乗ったって良いわけです。

万人に理解できるように語るべき

正直、ディビッド・ベネターの非対称性の理論はやや複雑だし「子供のためを思うなら最初から子供なんて作るな!」と訴えた所で大半の親はそれを無視して自分の都合を優先して子供を作り続けるでしょう。
つまり「子供の幸せ」だけを理由とした反出生主義には限界がある。子供を虐待する親だっている訳ですから、万人が納得はしない筈。

最大多数派を目指す

反出生主義の理想を実現するには反出生主義者が最大多数派になる必要があります。その為には誰もが少しは賛同できるような多種多様な「理由」が必要だし、清濁併せ持って全人類を包摂する寛大な思想にならなくてはならない。
だからこそ反出生主義者がうっかり子供を作ってしまったとしても、一人くらいなら認めるべきなのです。全人類が過ちを犯さないなんて事はあり得ないのだから、多少は子供を作っても全体的に人口が減りさえすれば構わない。

反出生主義を「当たり前」の常識にする

どの道100年以内に人類絶滅まで持っていく事は不可能。我々にできるのは反出生主義の理想実現の為の土台作りだけだ。全人類が人口減少こそが「善」であると考えるようにしなくてはならない。反出生主義を「常識」であり、人類共通の基本的な倫理観にするのです。
動機が何であれ世界規模で少子化が進みさえすれば良い。

豊かになれば人口が減るのは分かり切っているのだから全世界がもっと豊かになるべき。それには自由貿易の促進が有効です。グローバル化は確実に世界から貧困を減らしている
実際のところ経済発展と技術革新は反出生主義より多くの人口削減に役立っているでしょう。しかしテクノロジーだけで人類が滅びる事はないので人類全体が反出生主義的な意思と方向性を保持し続ける事が重要なのです。

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サイコパステストとしてのトロッコ問題

線路

「トロッコ問題」が示すパラドックス

5人が線路上で動けない状態にあり、そこにトロッコが向かっていると想像してほしい。
あなたはポイントを切り替えてトロッコを側線に引き込み、その5人の命を救う、という方法を選択できる。
ただしその場合は、切り替えた側線上で1人がトロッコにひかれてしまう。

多くの人は遺憾ながらもこの選択肢をとるだろう。死ぬのは5人より1人の方がましだと考えて。

しかし、状況を少し変化させてみよう。あなたは橋の上で見知らぬ人の横に立ち、トロッコが5人の方に向かっていくのを見ている。
トロッコを止める方法は、隣の見知らぬ人を橋の上から線路へ突き落とし、トロッコの進路を阻むことしかない。

この選択肢を示されると大抵の人はこれを拒否する

サイコパスの人はこの問題に躊躇せず「1人を犠牲にして5人を助ける」選択をするらしいね。
多くの人はトロッコの車線を切り替えて5人を助けるのが正解だと考えているようだ。
俺も昔はそれが正しいと思っていた。けど今はとてもじゃないけど軽々しくそんな選択はできない。

トロッコで5人が死んだとしてもそれは「事故」だが、車線を切り替えて1人が死んだ場合、それは自分が殺した事になる。
たった5人を救う為に1人を殺す事は許されるの?自分の意志で1人を死なせたという十字架を背負うくらいなら5人を見殺しにする方がマシではないか。

「損得」だけで考えると500人を救う為に499人を殺しても良い事になってしまう。
「多数の利益のためなら少数を犠牲にしても構わない」という考え方はどこかサイコパス的だ。

見知らぬ人を突き落としてトロッコを止める」と答える人間も1割くらいいるらしい。そんな危ない連中が人口の1割もいる。本当に恐ろしいよ。
トロッコ問題で「5人を助ける」選択ができない人間が、もっと増えた方が良いと思う。

【関連】5人の命を助けるためであっても1人の命は奪えない"傍観者"の方が周囲から信頼されている

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トロッコ問題のベネター式解決法

利得表
トロッコ問題

5人が線路上で動けない状態にあり、そこにトロッコが向かっていると想像してほしい。
あなたはポイントを切り替えてトロッコを側線に引き込み、その5人の命を救う、という方法を選択できる。
ただしその場合は、切り替えた側線上で1人がトロッコにひかれてしまう。

このトロッコ問題は反出生主義の哲学者デイヴィッド・ベネターの利得表を使って解く事ができますね。
ベネターは「苦痛があるのは悪い状態で、苦痛がないのは良い状態。快楽があるのは良いが、快楽がないのは悪くはない」と考え、快楽があるより苦痛がない状態の方が望ましいと主張しました。
快楽が苦痛より多いか」ではなく「そもそも苦痛がない方が良い」からこそ「全ての人間は生まれてこない方が良い」とベネターは説いています。この利得表こそがベネター理論の根幹なのです。

利得表に基づいて判断するならば、トロッコ問題で「5人を助けない」選択をするのは「悪くない」のに対して「一人の人間を犠牲にする」のは明白に「悪い」事であるから、やはり5人を見殺しにするのが正解なのです。
一人を殺して5人を助けるのが倫理的に許されるならば、健康な人間から勝手に臓器を取り出して必要とする患者に臓器移植するなんて行為も正当化されてしまう。

大多数のために少数を犠牲にするのが許されるのは、それをしなければ最終的に全員が死んでしまう場合であって、戦争とかの極めて限定的な条件下だけだ。
戦争であっても、よっぽど追い詰められていなければやるべきじゃない。実際アメリカ軍とかは戦場に取り残された兵士を見捨てたりはしない。犠牲を払っても必ず救出に行く。

「見殺しにする方が悪」だなどと言うのは世界に対する認識不足だ。今までに誰の事も見殺しにしてないとでも言うのか?世界中で起き続けている貧困・飢餓・戦争・災害・疫病などの災厄を我々は見て見ぬ振りして生活しているに過ぎない。
死の原因は生まれてくる事だ。見殺しにしなくてはならないシチュエーションをなくす唯一の手段が「反出生主義」なのです!!

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ミニマックス戦略で後悔のない人生を!

「正しい選択」とは何であろうか?
「最大限の可能性(利得)を追求する」よりも、「ああしていれば良かった・・・」などと後悔しない選択こそが、正しい選択であると私は考える。
だから迷っている時は利益を犠牲にしてでも「これなら後悔しなくて済む」と思えるモノを選ぶべきなのである。

このように「損失を最小化する」事を第一に考える方法をミニマックス法と言い、あらゆるゲームの中で最も勝率の高い戦略である。
それは人生においても例外ではない。。。
「損」さえしなければプラスマイナスでゼロより上にしかならないからね・・・

例えば宝くじとパチンコのどちらかをやるとしたら、どっちが良いだろうか?
当たればデカいのは宝くじ。だが宝くじでは平均して賭け金の半分しか返ってこない。
パチンコなら8割が返ってくるので、どうせやるならパティンコの方がマシ。
一番良いのはどちらもやらない事・・・!

ギャンブルの必勝法は、ギャンブルをやらない事である

ミニマックス戦略で考えると上の格言が真理であるのが良くわかるw

ゲーム理論ではしっぺ返し戦略が最強とされているが、これは実際には誰にも「勝てない」戦略である。
しっぺ返ししてるだけだと「引き分け」か「負け」しかない。それでも総合得点では最も高得点になるのである。

つまり、勝ちにこだわる必要はないのだ。
「勝つ」のは目的ではなく手段。
勝つために多大な犠牲を払うくらいなら勝たない方が良い。
「逃げるが勝ち」である。大事なのは勝つよりも大きく負けない事だ。
ミニマックス戦略なら「戦わずして勝つ」事が可能になるのです・・・!

ヒットを狙って空振り三振するより、バントしてでも累進せよ。
ホームラン王に生まれなかった者は、セコくてもコツコツ当てて行くしかないねんて・・・

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しっぺ返し戦略について

ボクシング全ての人が知っておくべき戦略としてゲーム理論で言う所のしっぺ返し戦略がある。
「しっぺ返し戦略」とは基本的には他者に対して友好的な態度を取り、協力してくる者には協力し、相手に裏切られたら即座に裏切り返す。
そんな「やられた事をやり返す」だけの戦略が最終的には最も利得の高くなる行動であるとゲーム理論の本には書かれている。

確かに全人類がこのしっぺ返し戦略を実践すれば「裏切り」は得策ではないと悟るだろうから世界は平和になるだろう。
イジメに対しても「やられたらやり返す」このシンプルな"しっぺ返し戦略"こそが特効薬になるのです!

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天秤式得点法で悩みを解決しよう!

天秤
選択に悩むのはどちらを選んでも大差がないからで、つまりどっちでも良いという事でもあります。
それでも微妙な優劣が気になっていつまでも悩んでしまうのであれば、悩みを書き出し、それらを数値化して比較すると分かり易くなります。

例えば「買うか/買わないか」で悩んでいるなら買うべき理由と買うべきでない理由をリストアップし、重要度の高さに応じて5段階評価で得点を付け、総合点の高い方の行動を選べば良いのです。
五点満点で評価するのは計算しやすくするためです(`・ω・´) 数値化する事であいまいな感情が原因で堂々巡りしていた悩みにハッキリとした優劣をつけるられるようになります。
手間はかかりますがクヨクヨしやすい人は急がば回れでこの方法を試した方が早く悩みを解決できるかも知れません。

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やり直しがきく失敗は気にするな

何度でもやり直せるような事なら失敗しても特に気にする必要はない。やり直しが効くなら、やってるうちに上達していつかは成功するだろう。
「やり直せる失敗」は「成功するまでの練習」であると見做す事ができる。

運転して事故を起こしたとしても自動車が大破したくらいならどうという事はない。
だが人身事故を起こして相手を死なせてしまったら取り返しがつかない。死者は生き返らないからだ。それこそが一生後悔するに値する大失敗であるといえよう。

エジソンは電球を発明するまでに一万回失敗したが「失敗ではない。うまくいかない方法を一万通り発見しただけだ」と言ったという。
失敗は成功のもと。やり直せる事なら失敗を恐れずにどんどん挑戦すれば良い。

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人生はアドリブが大事

物事を何でも完璧にシミュレーションしてから行動しようとすると、何もできなくなってしまう。
人生の全てを完全にシミュレーションしようとしたら寿命と同じだけの時間がかかる。

完璧な予測など不可能。それゆえ完璧なシミュレーションもありえない。
人生は一度しかないliveなのだから、勇気を出してアドリブで乗り切るしかないのです。

不測の事態を恐れ、尻込みしていたら新しい事には挑戦できない。即興でやれる部分だけで十分と考えましょう。

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絶対的に正しい選択を取るのは不可能

人生は決断の連続だ。「正しい決断を下せるかどうか」が人生の成否に大きく影響する。
ゲーム理論では 「2人で行う・零和・有限・完全情報・確定」のゲームには必勝法が存在すると言われているが、人間には無知の知がある。
人生と言うゲームは何が起きるかわからない不完全情報ゲームだ。
従って必勝法はない。人生において「確実に正しい」選択は取り得ないのだ。

ただし確率的によりベターな答えを選択する方法なら存在する。
モンティ・ホール問題とか知ってればまた違ってくる事もあるだろう。
買い物なんかでも最良の商品を求めて何件も店を回って結局買わず終い・・・てな事がよくあるが、最も良い物を選ぶ方法はある。
どれか一つしか選べず、一度見逃したら二度と選択できないという状況下では、全体の37%くらいまで試してみて「その中で一番良かったもの」より良い物が次に現れたらそれを選択するのが確率的には最も良いらしい。

やはり確率。人生は運ゲーなのだ。確率的にしか正しい判断ができない。
数学ができる人の方が年収が高い」と言うのは、確率計算によって折々で正しい判断を下しているからなのではないか・・・

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迷ったら答えを変えろ

モンティ・ホール問題というのがありますね。

あるテレビ番組で3つの扉から1つを選んで賞品を獲得するゲームが行われている。
扉のうち1つはアタリで高級車が入っており、残り二つはハズレとしてヤギが入れられている。


さっそく挑戦者が1つの扉を選ぶ。

司会者はそれぞれの扉の中に何が入っているのか知っており、挑戦者が選ばなかった扉のうちヤギが入っている扉を開けてみせた。
ここで司会者は挑戦者に扉を変更するか否の選択権を与える。

さて挑戦者は扉を変えるべきだろうか? 変えざるべきだろうか?

答えは「変更する方が良い」で、変更した場合は正解する確率が二倍になるらしい・・・

この問題は知識ではなく知恵として知っておいた方が良い。実に含蓄の深い良問である。
実生活においても、迷っている時は最初に決めたのと違う答えを選んだ方が、良い結果を得られる場合が多い。
最初に決めた答えに固執してもロクな事はない・・・状況が変われば、答えも変えるのが当然だ!

悩む時点でどちらも似たような条件な訳で、最初に選んだ選択肢に関しては、既に情報が出尽くしているわけでしょう?
残る選択肢には未知なる部分が多い・・・
ほぼ同じ条件なら、未知なる部分が多い方が、未知なる利得も大きくなる。
選択を変えなければ損をして後悔する可能性が高くなるのです。

「迷ったら答えを変える」

これは鉄板ではないかwww

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混合戦略のすすめ

ゲーム理論では複数の戦略を用いる混合戦略こそが至高であると考えられている。特定の一つの戦略に固執するのは得策ではないのだ。
これは尤もな話で、ジャンケンをするにしてもいつも同じグーばかり出していたら相手に手の内を読まれて必ず負けるようになる。
グーチョキパー全ての手を満遍なく出す複合戦略こそが、勝つ為に必要な戦略なのである。

世の中に不変なものはない。状況が変われば戦略も変えるのが当然。
選択肢を絞ると不都合が生じる。だから使える物は何でも使って利得を最大化すべきなのだ。

外交も国益を考えるなら当然複合戦略を用いるべきで、対米追従一辺倒の外交姿勢は国益を大きく損ねている。
なぜなら日本にどんな酷い要求しても離れない事が分かっているなら、アメリカは国益を最大化する為に日本への要求をどんどん大きくしていくからだ。
まともな独立国家なら到底受け入れられない年次改革要望書なるものまで突きつけられているのは、複合戦略による天秤外交を怠ってきたツケであろう。

選挙も一種のパワーゲームであるから、戦略的に投票するのが望ましい。
長期政権が腐敗する」のは洋の東西を問わず普遍的な真理である。
自民党政権は長く続き過ぎたため、国民までも腐らせ社会全体が深刻なモラルハザードを引き起こすに至った。
世襲が多いのも長期政権では淘汰が働かず、政治家がオイシイ職業になってしまっているからだ。
世襲議員の存在理由は既得権の維持である。彼らに民主主義が理解できる筈がない。

政権が長期化すると政治家は自分たちの利権を最大化する事だけを考えるようになる。
国民が耐えられるギリギリの所まで搾り取ろうとし、それがあたかもチキンレースのようにどちらかが破滅するまで続く。
要するに政権が長期化するほど、国民生活は苦しくなる。
民主主義を機能させるには定期的に政権交代させる必要があるのだ。

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