ナショナリストの中には「国や自国民を愛している自分は博愛主義者だ」と思い込んでいる人がいるようだ。
博愛主義とは利他的なものでしょう。だが民族主義は完全に利己的なものだ。身内をひいきする「血縁主義」が民族にまで拡大されたものに過ぎないからね。
ひいきの対象が多いので利他的に振舞う事もあるだろうが、それらは全部自分の利益になっている。

なぜ血縁主義・民族主義が発生するかと言うと利己的遺伝子の考えで説明が付く。
血縁や同じ民族の者であれば自分と遺伝子を共有している部分が多いから、血縁者を支援する事で自分の遺伝子をより多く残そうとしているのだ。

つまりナショナリズムとは本能的な「感情」であり、繁殖戦略の一種である。だから血縁主義が色濃い所ほど民族主義も強い。

独身男性は最も排外主義的であるそうだ。不思議な事に結婚するとその傾向はなくなるという。
恐らくセックスの問題が関係しているのでしょう。独身男性は外国人が入ってくると自分が子孫を残すのに不利になるから排外主義的になるのだ。

この様に民族主義と博愛主義は本質的に異なる概念なのだが、民族主義者は自分を利他的な「善人」であり、「正義」だと思っている。正義とは何か?という認識すらないまま・・・

ナショナリストは自国のナショナリズムは賞賛するくせに中・韓のそれは非難する。同じ穴のムジナであるとは思わないのだろうか?
利己主義と独善が結びついてナチスが生まれたのではなかったか。善意で大量殺人する事もありえる。「自称・正義」ほど危ないものはない。

誰もが自分に有利な主義主張しか話さない。それはナショナリズムとて例外ではない。
真の利他的行動とはエゴの抑制から生まれるはず。「個の野心は公の利益」なんて嘘っぱちだ。
日本では右寄りの人ほど自己責任論が好きだが何でも自己責任なら何やっても許されるし国家はいらないというアナーキズムに通じる。ウヨクはその自覚もなしにひたすら感情論で批判するだけ。
真の公共心も利己的な民族主義を克服してこそ芽生えるものではないか・・・?

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