トロッコ問題では他者への共感意識が低い人ほど「少数を犠牲にして多数を助ける」選択をするらしい。
意外だがサイコパス的な人間は功利主義を好むようだ。人助けには見返りが期待できるので単に自分の評価が高まりそうな選択を選んでいるだけかも知れないが・・・

最大多数の最大幸福を追い求める功利主義だけを判断基準にするのは危険だ。
「5人を助ける為なら無辜の一人を殺して良い」とする考えが正当化されて良いはずがない。
有名な功利主義者のピーター・シンガーなんかは「新生児は殺しても良い」とまで主張している。さすがに異常だろう。
功利主義とは実際はサイコパスの思想ではないか?

功利主義は「役立たずは死んだ方が良い」と言う考えや、全体主義、国家主義、ナチズムと容易に結びつく。
相模原で障害者を大量殺戮した植松聖の動機は正に功利主義だった。
功利主義の行き着く先は少数者の排除であり全体主義だ。なぜなら画一的な価値観で全体が統一されていなければ最大多数の最大幸福は達成されないからだ。

功利主義を正しく機能させるには利益以上に優先される絶対的な道徳律が必要。それはつまり人権という事になるだろう。
人権意識の低い日本の様な国で功利主義を広めると、少数者を虐げるだけの結果に終わる。
功利主義的に良い国を作りたいなら、まず人権意識を高める事から始めるべきだ。

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