古来より人は「月には魔力がある」と信じてきた。
西洋では「月を見すぎると気が狂う」と言われていて、「lunatic」が「狂気」の意味で使われている。
「狼男」の伝説も月の魔力に対する畏怖から生まれたのでしょう。

本当に月に"魔力"があるかと言うと、それは「有得ない」。これが大前提であり結論だ。
「赤い月は不吉の前兆」とも言われているが、月は低い位置にある時は赤く見えるのが普通だ。
地表に近いほど大気の層が厚い為、波長の長い赤色以外は目に届かなくなるのである。夕日が赤いのとまったく同じ理由による。

この様に全ての物事には原因があり、説明が可能だ。
"魔力"など存在しないのにも拘らず、人が「月には魔力がある」と信じてしまうのにも理由がある。
では古代人が「月には魔力がある」と信じた理由とは何だったのだろうか?

仮説1:月の引力を魔力と誤認した

月には魔力はなくても"重力"がある。古代人にとって目に見えないが地球に影響を及ぼす月の"重力"はさぞ神秘的に映った事だろう。
地球は月の引力がなければ地軸が安定せず、人の住める環境にはならなかった。
月の引力によって地球は支えられているのである。

惑星の楕円軌道を発見したケプラーなどは当初、引力を「運動霊」と言う霊的な力であると考えていた。
ニュートンが「万有引力」を発見するまで太陽や月が地球に及ぼす引力は「神秘の力」と認識されていたのである。

仮説2:月を見過ぎてトランス状態になった

催眠術には「一点凝視法」と言うテクニックがある。
人は壁のシミでも何でも良いから一点を見つめ続けると暗示に掛かり易い状態になる。
当然、月を見続けていても軽い催眠状態になる訳で、月を見ていて変な気分になるのを経験した人が「月を見すぎると気が狂う」などと言い出したのでは?

仮説3:月の"光"に魅了された

元々みんな光る物が大好きですから。
暗闇においては月光は尚更美しく見える。月その物より"光"こそが人を魅了する月の魔力(魅力)の正体かも?

まぁ月世界旅行を夢見た男がV2ロケット作ってその後アポロ計画で本当に月まで行っちゃうなんて完全なキチ○イ沙汰だったワケで・・・
そういう意味で「月」には確かに人を狂わせる力があったんだと思いますネ。

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