種の保存の本能は誤解されていると思う。「生物は子孫を残す為に生きている」と言う風に。実際には生物は子孫を残したくて行動している訳ではない。
欲求に従って生きると結果的に子孫が増えるように遺伝子によって仕組まれている。それが本能なのだ。

子供が欲しくて交尾する動物はいない

そもそも動物は長期間記憶する能力が乏しいので「交尾」によって「子供が生まれる」と言う因果関係を理解できない。だから子供を作る為に交尾している訳ではない。
猫なんかは数秒間しか記憶を保てないので長時間母子を引き離すと子猫の存在すら忘れてしまうと言われている。
それでも目の前に自分の子供らしき生物がいたら動物は本能的にそれを育てようとする。
つまり種の保存の本能とは「性欲」と「子供を育てる」の2つだけで成り立っている。下等生物の場合は性欲だけで子育てすらしない。
実際、人間の男性には子供を欲しいと思う願望がまったくない。男にあるのは性欲だけだ。これは断言できます。
男性が子供を望むのは世間体の為だったり親に孫の顔を見せる為だったり嫁の要望、あるいは暇つぶしや老後の保険としてであり、男性の本能的な欲求によるものではない。
男性の権利運動であるMGTOWでも子作りは否定されている。男性がありのままに生きるなら子供は作らない。そんな願望がないからだ。

「子供を欲しがる」のは自然な本能だと思われているが実際はそうではない。男性にそんな本能はない。では女性の場合はどうか?男性にないなら女性にもないのではないか?
しかし女性には確かに子供を欲しがっている人が多い様に感じる。だがそれは別の本能による物かも知れない。

母性本能による錯覚

「子供を欲しがる」本能はなくても「子供を育てる」本能ならある。人間の子供は育児期間が長いのでそれに比例して人間の育児をしっかりやろうとする本能は他の動物よりも強い。
人間には大きな脳もあるので他人の子供を見たり、自分の子供を想像する事で母性本能が刺激され、それが「子育てがしたい・子供が欲しい」と言う衝動に繋がっているのではないか?

つまり人間の女性は「子供を見ると子育てがしたくなる」本能の誤作動によって「子供が欲しい」と錯覚するようになっているだけで、やはり女性にとっても「子作り」それ自体を目的とするのは本能ではないのだ。

途上国であっても先進国であっても「夫婦が望む子供の数」と「実際の子供の数」は大体一致するらしい。不妊症の夫婦もいれば避妊に失敗する夫婦もいるけど全体的には人間は望んだ数の子供を作っている。
子作りは本能的行動ではなく、意識的・計画的に行うものなのです。「子供を作るのは本能であって自然な行いだ」と考えるのは間違いです。

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