Q.テレゴニーっていう現象があると聞いたのですが、実在するのでしょうか?

子宮を含む人体の細胞には、RNAを分解する酵素が存在しているので、
精子のRNAは残らず、テレゴニーは無いハズですが、
受精して妊娠した場合で、早い段階で流死産となった場合は、
死んだハズの胎児の細胞が母体の中で生き続ける可能性は充分に有り得ます。

母体と胎児は胎盤により遮断されていますから、本来は血液 等は混ざり合いませんが、
何らかの原因により血液 等が混ざり合ってしまう場合も全く無い訳では ありません。

母子キメラは、このような場合に出現し、子供の体内で母親の細胞が微妙に確認されます。

子供の体内で母方の祖母の細胞が確認された例も存在します。(母子キメラが2回起きた場合)

二卵性の双子では、約8%の確率で子宮に着床した場所が近過ぎて
1人で2種類以上の血液型を持つ血液型キメラが出現し、二卵性の13組に1人は出現します。

胎盤が融合してしまい、それぞれの微妙な細胞が行き来し、骨に付着して違う血液型を作り出す細胞になってしまいます(双生児キメラ)

元彼や前の夫の精子由来の死んでしまったハズの胎児の細胞が生き残って、
次の胎児と微妙に融合してキメラ化する可能性は充分に有り得るでしょう。

↑昔だったら頭ごなしに否定されていたテレゴニーも最近は少しずつ理解が深まってきているようですね。
先日も夫の精子で出来た子が夫の子ではなかったので再検査したら生物学的にキメラだったと言う事例が発見されている。

米国ワシントン州に住む男性が、生まれた我が子の遺伝子検査をしたところ、生物学的には本人の子供ではなく、兄弟の子供であることが分かったという。

この34才の男性は、妻とともに不妊治療を受けており、生まれた子供は人工授精によるもの。

担当医は人工授精に使用した精子が夫本人のものであることを確認している。それにもかかわらず、生まれた子供の血液型が両親のどちらとも一致しなかったため、夫妻は遺伝子検査を依頼した。

医師が夫の唾液から採取した遺伝子を調べると、子供のものとまったく違っていた。つまり、100%夫の子供ではない。

ところが、夫の精子を調べると、10%という半端な割合が子供の遺伝子と一致した。これは、遺伝学的には、夫の兄弟が本当の父親であると考えられる。

だが、さらに不可解なことに、当の夫に兄弟はいないのだ。

謎はさらなる検査で解けた。この夫は、生物学的に「キメラ」と呼ばれ、生まれる前は二卵性双生児だったが、母親の胎内で兄弟の身体を吸収し、その結果一人で生まれてきたということが分かった。

つまり、吸収された兄弟の細胞が体の中にまだあり、それが兄弟の精子を作っていたことになる。

元々マーモセットでは珍しくない現象らしいが人間にもそういう事が起こる。今回は人工授精だったから念入りに調査されて発見できただけで、自然妊娠でも同じ事は起きているだろう。

双子のキメラと比較すると細胞を共有する度合いは桁違いに少なくなるだろうが、母親を介して他兄弟の細胞が混ざるマイクロキメリズム自体は至極ありふれた現象だ。
もし、マイクロキメリズムで混入した細胞が生殖細胞だったら?
嫁の元カレ(前夫)の遺伝子を受け継ぐ兄弟の生殖細胞が息子の睾丸に混ざり、孫が祖父である自分の遺伝子を一切受け継いでいないと言う事態も起こり得る(`・ω・´)

前述の男性の場合は兄弟の精子の割合が10%でも妊娠した。万に一つであってもその可能性はゼロではないのです。

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