前の夫の特徴が別の男との間に生んだ子に遺伝するテレゴニーは従来の常識では説明が付かなかった。
しかし最新の科学では逆にテレゴニーを完全否定する方が難しくなっている。ここではテレゴニーを引きおこす3つの可能性について述べてみたい。

1. 前夫の細胞が子供に混ざる

母親と胎児の間で互いに細胞が行き来するマイクロキメリズムと呼ばれる現象がある。
母親の体内に残った兄弟の細胞が胎児に移行する事もあるので、前夫の遺伝子を含む細胞が赤ん坊の体の中に混ざってしまう。
マイクロキメリズム
長男/長女に比べて二番目以降に生まれた子供は体が虚弱になりがちだそうだが、これは長子の細胞が弟/妹の体内に混ざり、免疫の反応をおかしくさせているためらしい。
マイクロキメリズムで残った前夫の細胞が遺伝子の発現に影響を与えるかは不明だが、免疫などに悪い影響を与えるのは確かでしょう。
出産経験がなくても中絶を経験していればマイクロキメリズムが起こると思われるので、気になるなら注意が必要ですw

2. 夫婦は似てくる。ならば前夫とも

「夫婦は似てくる」とよく言われますが、これは妊娠で夫の遺伝子を取り込んだ事によって妻の体に何らかのエピジェネティクスな変化が起き、夫に似てくるためではないでしょうか?
母親が父親に似てくるなら、前夫にも似るでしょう。母親が変化した事によって子供が前夫の特徴を備える事があるかも知れません。

3. DNAキメラ

マーモセットでは珍しくないのだが人間でも稀に体の中に複数のDNAを持って生まれてくる人がいるらしい。
胎児の中に前夫の細胞が混ざってしまった為にキメラDNAになり体の一部が前夫に似るという事もありえるのではないか?

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【追記】
シャロン・モアレム著『迷惑な進化』によると「ある種のレトロウイルスは体細胞のDNAを生殖細胞に伝えることができる」そうです。
レトロウイルスは胎盤の形成にも関与している為、全ての人の遺伝子の中に何らかのレトロウイルスが存在します。
つまりマイクロキメリズムで残った胎児の細胞が、レトロウイルスの力を借りて母親の生殖細胞に遺伝子を伝える事は理論上は可能なのです。