人間の遺伝子にはイントロン(介在塩基)がある。塩基に組み込まれていながら全くタンパク質合成のために働かないなぞの遺伝子である。

そしてなんとレトロウイルスの一種が持つ遺伝子と全く同じ配列が一部のイントロンには存在するという事実が判明。イントロンはいわばたんぱく質を合成する時に「邪魔な存在」
なので合成時には切り取られ、しかるべき遺伝子同士が塩基を作る作用が働く。
更にレトロウイルス(エイズウイルス等)は、生物に感染するとその生物のDNAの中に自らの遺伝子を送り込む(逆転写)という特徴を持っている。

他の生物のDNAのなかに自分の遺伝子を送り込むためには逆転写酵素(自分の遺伝子を他の遺伝子に組み込む酵素)が不可欠であり、主に【RNA】がその特徴を有している。
ちなみに【RNA】は【水に溶けやすく、逆転写酵素を有している】という特徴を持っている(全てではない)。

そして今度はテレゴニーに関係する精子に話を移してみよう。

通常精子は卵子にたどり着いて受精し、減数分裂を繰り返してそれが赤ん坊になる。
そしてその細胞分裂の司令塔的役割を果たしているのが精子の【中心体】という部分である。
ということはこの中心体が受精卵の細胞分裂の仕方を決める中心人物という事になる。

ここで皆さんは驚くべきことに気づくことになるだろう。この中心体は先ほど話した。【RNA】で構成されている。
受精卵の細胞分裂の司令塔的役割を果たすこのRNAの集まりの中に【精子の遺伝情報を逆転写(女のDNAに元カレ遺伝子を組み込む)】するものが含まれていると仮定するとどうだろうか?

今の通説では受精できなかった精子は膣内に吸収され、たんぱく質として膣内で吸収されるだけということになっている。
しかし、仮に精子の中に【逆転写酵素を持つRNA】が存在したとしたらどうだろうか?もし逆転酵素を有するRNAが元カレの精子に含まれていたと仮定すれば、
RNAは水に溶けやすい性質を持っているという生物学的事実との相乗効果で、
膣内に無造作にばらまかれた一億匹の精子たちのRNAは単に膣内で吸収されて死ぬのではなく、■エイズウイルスのように膣内に溶け込んで元カレの遺伝子を女性のDNAに逆転写酵素で組み込むことが出来る■という仮説が成り立つ。

そしてこれが事実だと仮定するならば、二人目の夫ががその女に子供を産ませてもその子供は夫の純粋な遺伝子を持った子供ではないことになる。

テレゴニーは■1890年■に動物学者のアウグスト・ウィズマンによって否定されたとされているが、
【逆転写酵素】が発見された年代は■1970年■、しかも遺伝学者と分子生物学者によって発見されている。【動物学者】からテレゴニーが否定されてから実に■80年■を経て【遺伝学と分子生物学の専門家】が逆転写酵素を発見した事は特筆すべき点だろう。

↑これはこの記事へのコメントだけど素晴らしいね。当時は俺もテレゴニー否定派だったからロクに理解しようともせず安易に否定していたけれど、今ならわかります。この仮説は正しい。

人は自分の理解力を超える物を「トンデモ」と決めつけて否定しがちだ。その方が考えなくて済むし楽だから。いわゆる「バカの壁」と言うやつだろう。
常識で考えたらそりゃあテレゴニーなんて否定しますよ。無理もない話でこの理論を理解するには常識以上の専門知識がいる。高度で最先端の科学知識がなければテレゴニーは理解できない。

テレゴニーに関する海外の研究論文によると、やはり精子にはRNAの逆転写能力があるそうだ。それだけでなく精子には体細胞に侵入する能力まであると言う。

哺乳類の胎盤の形成にはレトロウイルスが関与しているし、精子の性質はこれまで考えられていた以上にウイルスに近い。
それもその筈でDNAの中にはレトロウイルスが潜んでいる。生物とはウイルスの「上位互換」であり、精子にもウイルスと同様にDNAを水平伝播する能力が備わっている。

実際の所、テレゴニーを引き起こすメカニズムについての説明も出そろった感がある。後は証拠さえ見つかればテレゴニーは証明できる。

水平遺伝の研究の進歩によって遺伝学の世界にパラダイムシフトが起こりつつあるのです。10年以内にテレゴニーが証明される可能性は十分にある!
教科書が書き換えられる日も、そう遠くはないでしょう。。。

【参考になる書籍】
『よくわかる分子生物学の基本としくみ』井出利憲
遺伝子・DNAがわかる 』夏緑,真右衛門
『ウイルスは生きている』中屋敷均
『利己的遺伝子から見た人間』小林朋道
『にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語』サム・キーン
『ウイルスと地球生命』山内一也
『まだ科学で解けない13の謎』マイケル・ブルックス
『生物はウイルスが進化させた』武村政春
ウイルス・プラネット』カール・ジンマー
『科学の誤解大全』マット・ブラウン
『ビジュアルで見る 遺伝子・DNAのすべて』キャット・アーニー